【仕事がつまらない人必見】世界が変わる「介護DEマーケティング思考」

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なんだか毎日同じ業務ばかりで、最近仕事がマンネリ化してきた感じがするよ…

かえるパパ

あーなんか分かるよ。
そういう時期ってあるよね。

仕事が嫌なわけじゃないんだけど、なんだか楽しくないっていうかさ。

かえるパパ

え?仕事が楽しい?それはないでしょ。

え、なんで?そうなの?

かえるパパ

仕事はさ、楽しいじゃなくて面白いだよ。
funじゃなくてinterestingだね。

仕事というのはそれなりにつまらないし面白いものです。

介護の仕事を楽しくてやっている人もいますが、そうじゃない人もたくさんいますよね。

本記事は、どちらかというと「そうじゃない人」にこそ読んで欲しい内容になっています。

結論からいうと介護の仕事にもマーケティング思考が必要であり、それによって仕事が面白くなります。

「そうじゃないあなた」にとって有益な記事ですので、ぜひ最後まで読み進めてください。

この記事を読むメリット
  • マーケティングの基本的なことがわかる
  • 介護の仕事にもマーケティングが必要なことがわかる
  • マーケティング思考で仕事が面白くなる
この記事の信頼性
  • 介護業界20年、現役の居宅介護事業所管理者兼相談支援専門員が執筆。
  • 持っている資格:介護福祉士、ケアマネージャー、相談支援専門
  • 年収:ざっくり520万円
クリックできる目次

マーケティングって、なに?

かえるパパ

マーケティングって何なのか知ってる?

知らないっす!

かえるパパ

介護職でマーケティングを理解している人は、そう多くはないんじゃないかな。
まずはマーケティングを理解していくことから始めよう。

実はマーケティングにはコレ!という定義はなく、それぞれの捉え方で様々なことを定義づけしています。

例えば米マーケティング協会では、

マーケティングとは、組織と利害関係者にとって有益となるように、顧客に対して価値を創造・伝達・提供し、顧客との関係性を管理したりするために行われる組織的な活動とその一連の過程である。

と言っています。

また、日本マーケティング協会では、

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的な活動である。

と定義づけています。

なんだか難しいよ…

かえるパパ

Wikipediaが分かりやすいかもね。

マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。

引用: Wikipedia

お、なんとなく分かってきたよ!

かえるパパ

シンプルにいうと、こういうことだよ。

  • 誰に(STP分析
  • どのような価値を(ベネフィット
  • どのように提供するか(差別化・4P or 7P
  • どのように新たな価値を生み出すか(営業

STP?ベネフィット?なにそれ?

かえるパパ

太字の部分は分かりやすいでしょ?
用語については次から解説していくから大丈夫!

今回は介護で特に重要になる、ベネフィット、差別化、営業について解説していきます。

ベネフィットとは?

ベネフィット(benefit)とは、直訳すると「利益」や「恩恵」という意味です。

マーケティングでいうベネフィットとは、「顧客が商品から得られる恩恵やプラス効果」のことです。

有名な書籍に「ドリルを売るなら穴を売れ」という本があります。

タイトルを例にしてみましょう。

ドリルを買う人が欲しているのは、ドリルそのものではなくドリルを使って開ける「穴」です。

何ならすでに穴の開いたものが売られていればドリルを買わなくてもいいのです。

かえるパパ

つまりはこういうこと。

お客さんが欲しいのは商品(ドリル)そのものではなく、商品から得られる価値(穴)である

なるほど、価値を提供することが大切なんだね!

かえるパパ

この考え方を介護に置き換えてみよう。

利用者が求めているのは介助や支援そのものではなく、それを受けた結果どのような生活を実現できるか。

例えば、重症心身障害で生活の全ての動作に介助が必要な方にとって、様々な介護を受けることで「安心」や「安全」な生活を実現していると言えます。

これを考えられるか否かで、介護の質が変わってきます。

介護の質か~

続いて、よく間違えられる言葉として「ベネフィットとメリットの違い」を説明しておきましょう。

ベネフィットとメリットの違い

似たような言葉だけど違いがあるんだね。

ベネフィットとメリットの違い
  • メリット:他社のサービスと比較して自社のサービスが優れている特徴
  • ベネフィット:そのサービスを受けたことにより得られる価値

メリットを伝えることも大切ですが、そのメリットからどんな良い未来を得ることができるのかが最も大切です。

例えばミニバンやワンボックスのようなファミリーカーを思い浮かべてみてください。

  • メリット:8人乗り、ハッチバックが大きく荷物をたくさん積める
  • ベネフィット:大家族で旅行に行く時もラクラク、車中泊も快適に過ごせる

あ、これめっちゃ分かりやすい!

かえるパパ

ベネフィットを伝えた方が、素敵な未来が待っているように感じるよね。
最近の車のCMも、ベネフィットを伝えるキャッチフレーズになっているよね。

これを介護に置き換えて考えてみます。

例えば入浴の介助です。

例:入浴介助
  • メリット:技術のレベルが高い、既往症や障害について知識と理解がある
  • ベネフィット:楽に入浴できてお風呂の時間を楽しめる

ベネフィットを訴求する(訴えかける、アピールする)ためには、利用者の潜在ニーズを探る必要があります。

ニーズの種類
  • 顕在ニーズ:利用者自身も自覚していて表面化している欲求。
  • 潜在ニーズ:利用者自身が自覚しておらず、隠された不満や理想と現実のギャップ。引き出すためには「なぜ?」を繰り返すなどのテクニックを要する。

潜在ニーズを探り出しベネフィットを訴求することで利用者の満足度が上がり、介護の質も上がります。

また介護の質!

かえるパパ

だんだん分かってきたかな?
さらに、ベネフィットには2種類あるんだ。

機能的ベネフィットと情緒的ベネフィット

かえるパパ

ベネフィットは、機能的と情緒的の2種類に分けて考えることができるんだ。

機能的ベネフィット

そのサービスの基本的な価値から得られる機能的(便利さ、効率)な良い効果です。

上記の入浴介助の例でいうと、「楽に入浴できる」が該当します。

情緒的ベネフィット

そのサービスが満たしてくれる感情(名誉、優越感、幸福感、安心感、権力など)です。

上記の入浴介助の例でいうと、「お風呂の時間を楽しめる」が該当します。

このように機能的・情緒的の両面からベネフィットを追求することが、利用者により良い未来を提供することにつながります。

ベネフィットだけでも奥が深いね。

かえるパパ

でも大切なことだからね。
日頃から意識することで、マンネリ化していた仕事も変わっていくはずだよ。

続いて、「差別化」について説明していきます。

差別化とは?

かえるパパ

「差別化」で思い浮かべるのはどんなこと?

それはなんか分かりそう。
他と違うとか、そんな感じでしょ。

かえるパパ

マーケティングでいう「差別化」とは、単に違ったことをするだけではないんだな。

差別化とは、他社と違った独自性のあるサービスを提供し、より良い価値や未来を提供すること。

うーん、またまた難しい。

わかりやすい差別化の例として、放課後等デイサービスがあります。

最近の放課後等デイサービスは、軽度の知的障害のお子さんを対象にした塾のような役割のところがあります。

学習塾が経営していることもあり、サービスの内容は勉強やパソコン、ソーシャルスキルのUPがメインです。

ご家族のニーズとしては、放課後を過ごす場所や単純な学力UPに加えて、「生きる力を身につけさせたい」といったことです。

学習塾という自社の能力を生かして、他の放課後等デイサービスにはないサービスを提供することでニーズに応えていると言えます。

福祉業界全体の問題として、様々な障害者(児)や高齢者の受け入れ先の開拓ということが挙げられます。

上記の放課後等デイサービスは、軽度の知的障害のお子さんのニーズに合った受け入れ先を開拓したことで、福祉業界への貢献も果たしています。

なんだか急に経営的な視点になってきたね!

かえるパパ

福祉業界の課題として「社会資源を充足させる」ということも必要なのさ。
経営的かもしれないけど、ちょっとは知っておいた方が面白いよ。

最後に、営業について説明していきます。

介護職の役割には営業もある

かえるパパ

介護職は営業の役割も担っていることを意識しよう。

介護職の営業の役割
  1. 利用者の課題を見つける
  2. 課題を解決する
  3. 新たな価値を提供する

役割を果たすにはどうすればいいのかな?

かえるパパ

順番に説明するね。

①課題の発見

利用者は生活のことから身体的なことまでいろんな悩みや課題を抱えています。

かえるパパ

人間だれしも悩みがあるよね。

その悩みや課題を解決することが役割のひとつです。

解決するには、まずはそれらを発見しなければなりません。

身体機能であれば表面的に見える課題が多いですが、心の悩みや生活の課題はなかなか表面化することがありません。

介護職は、利用者とのコミュニケーションを通じて潜在化している課題を見つける必要があります。

なるほど、「まずは課題を発見すること」が大切だったよね!

潜在的な課題を発見するには、まずはよく観察することです。

よく観察することで、利用者の「普段」を知りましょう。

かえるパパ

利用者の身体、精神の「普段」を知ることが大事!

普段を知らないのに変化を知ることができるわけありませんよね。

普段を知るには短期的には難しく、長期的にコミュニケーションをとったり観察する必要があります。

かえるパパ

簡単に理解した気になっちゃだめよ。

変化に気付き、そこから課題を見つけたり聞き出すことを繰り返すことが大切です。

そうして発見した悩みや課題を解決していきます。

②課題の解決

課題を解決するにあたって大切なことは、利用者の立場になって考えることです。

それ分かる。
他人事だと思っている人から何言われても「はあ?」って感じだもんね。

かえるパパ

当事者意識とまでは言わないけど、自分事のように考えてくれる人からのアプローチはありがたいよね。

自分事のように考えていることを相手に分かってもらうには、まずは行動です。

かえるパパ

レスポンスが大事!

忙しいとつい後回しにしてしまうこともあると思いますが、それでは信頼を損なってしまいます。

生活の中の大体の課題は行動することで解決に至ります。

しかし、中には専門的な知識や経験が必要な場合があります。

身体的なことなら医療や理学療法および作業療法。

生活のことなら職人さんや行政、時には弁護士さんが必要になる場面もあるでしょう。

介護職ができる行動とは、そういった専門職につなぐことです。

かえるパパ

自分事として捉え、解決するために頼るべきところは頼るってこと。

そうだよね!介護職がなんでも解決できるわけないもんね。

かえるパパ

日常的に課題の解決に取り組んだら、次は新たな価値を提供していこう。

③新たな価値を提供する

新たな価値ってなんだぁ?

かえるパパ

難しく考える必要はないよ。
利用者の生活がより豊かになるように、様々なアプローチをしていこうってこと。

現状で必要なことを行うだけでは、利用者のQOL向上に全力を尽くしたとは言えません。

より向上するには、新たな提案をしていきましょう。

例えば筆者の事業所ではこんなケースがありました。

50代男性Aさんのケース

お母様(77歳)と二人で暮らしている。脳性マヒ。つたい歩きで自力歩行可能。

排泄は自立、入浴と食事は一部介助が必要でホームヘルパー利用。

家事全般はお母様がされている。

本人は週1回生活介護に通所。他6日は自宅で好きな音楽を聴いたりテレビを観たり、スマホを楽しんで過ごしている。

  • 主訴:お母様に万が一のことがあった時のために、入所を検討したい。

この課題に対して筆者が考えたのは、「本当はどのような暮らしをしていきたいのか?」ということです。

入所すると今のような自由な生活を送ることは難しくなります。

果たして本人はそれで満足なのでしょうか?

そこで筆者は何度も質問しました。

かえるパパ

本当に入所したいのですか?
実は、このまま自宅で好きなことをして暮らしていたいと思っていませんか?

相談を受けるたびにこんな質問を繰り返していくと、ようやく本人からこんな言葉が。

だってしょうがないからさ。ひとりじゃ暮らしていけないじゃん。

本当は自宅で暮らしたいけど、「無理っぽいから」という理由で入所を検討していたことが分かりました。

そこで筆者は、Aさん以外にも同程度の障害でひとり暮らしをしている方がいること、ヘルパーを利用すれば充分に可能なことを伝えました。

するとAさんはその日以来、ひとりで暮らすには何が必要かを考えるようになりました。

好きな時間に食べ、好きな時間に風呂に入り、好きな時間に寝る。

こういった暮らしが彼には合っていると、普段から思っていました。

本人の生活は本人のものです。

ですから、「どのように暮らしたくて、そのためにどんな支援が必要か」を本人自身が考えることはとても大切です。

つまりこのケースの場合、「将来のQOLの向上」ということと、「将来自分の好きな暮らしができる希望を持つ」という価値を提供した結果になりました。

価値って目に見えることだけじゃないんだね!

我々の仕事は、「質の高い介護の提供」と「価値の提供」です。

その成果は、目に見えないことの方が多いかもしれません。

でもなんだかやる気が出てきたよ!
やるよ私は!

かえるパパ

そう思ってもらえたのなら嬉しいな。
最後に、今までの話をまとめるよ。

「介護DEマーケティング思考」のまとめ

今回は、「介護にもマーケティングの考え方が必要」というテーマで解説してきました。

マーケティングというと、何やらマネーの匂いがして介護とは無関係と感じていた人もいるのではないでしょうか?

かえるパパ

まあ、介護の仕事でもマネーは大事だけどね。

もう一度、マーケティングの概念をおさらいしましょう。

マーケティングの概念

顧客のニーズを解明し、真に求めるサービスを提供し、その価値を効果的に得られるようにする考え方。

そして新たな価値を創造するための哲学、戦略、プロセスを指す。

かえるパパ

介護の仕事に置き換えると次のようになるよ。

利用者の潜在ニーズを探り出し、適切な介護サービスを提供することでそれぞれが理想とする未来を実現し、さらに新たな価値を創造する。

毎日の業務がマンネリ化しているあなたは、それだけ毎日の業務を滞りなくこなしているのです。

あなたが介護することで、利用者にどのような未来を、どのような価値を提供できるか考えてみましょう。

すると、あなたの仕事にはまだまだたくさんの余白があることに気づくはずです。

その余白をどのように使うかで仕事が面白くもなり、つまらなくもなります。

面白くするのもつまらなくするのも、あなた次第ということです。

ぜひ、マーケティング思考で仕事を面白くしていきましょう。

この記事があなたの仕事人生の一助になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

かえるパパ

では、また!


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この記事を書いた人

高齢者デイサービス、高齢者訪問介護を経て障害福祉業界に20年携わっています。
現在は、居宅介護の管理者 兼 相談支援専門員として活躍しています。
資格は介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)、相談支援専門員を所有しています。
介護業界に身を置いている経験から、現役介護職に向けて情報を発信しています。

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