- 介護職が大切にすべきこと
- 介護職に求められる専門性
介護職に大切なことや求められることというと、よく言われているのは優しさや思いやりといった人間性に関わることがあげられがちですよね。
でもね、利用者の多様なニーズに対して優しさや思いやりだけでは応えられないこともたくさんあるんだよ。
このページでは、介護職20年の筆者が「介護のプロとして利用者のニーズに対応するためには何が大切でどのようなスキルが必要か」についてご紹介します。
これから介護職を目指す人、すでに介護職として働いている人はぜひ最後までご覧ください。
- 介護業界20年、現役の居宅介護事業所管理者 兼 相談支援専門員が執筆。
- 持っている資格:ホームヘルパー2級、介護福祉士、ケアマネジャー、相談支援専門員
- 介護業界で面接を担当した人数は150名以上
- 介護業界で転職を3回経験
介護職が大切にすべきこと
介護職が大切にすべきことは、日本介護福祉士会が策定した「日本介護福祉士会倫理綱領」および「日本介護福祉士会行動規範」に書かれています。
日本介護福祉士会倫理綱領
前文
私たち介護福祉士は、介護福祉ニーズを有するすべての人々が、住み慣れた地域において安心して老いることができ、そして暮らし続けていくことのできる社会の実現を願っています。
そのため、私たち日本介護福祉士会は、一人ひとりの心豊かな暮らしを支える介護福祉の専門職として、ここに倫理綱領を定め、自らの専門的知識・技術及び倫理的自覚をもって最善の介護福祉サービスの提供に努めます。
(利用者本位、自立支援)
1 介護福祉士は、すべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。
(専門的サービスの提供)
2 介護福祉士は、常に専門的知識・技術の研鑽に励むとともに、豊かな感性と的確な判断力を培い、深い洞察力をもって専門的サービスの提供に努めます。
また、介護福祉士は、介護福祉サービスの質的向上に努め、自己の実施した介護福祉サービスについては、常に専門職としての責任を負います。
(プライバシーの保護)
3 介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た個人の情報を守ります。
(総合的サービスの提供と積極的な連携、協力)
4 介護福祉士は、利用者に最適なサービスを総合的に提供していくため、福祉、医療、保健その他関連する業務に従事する者と積極的な連携を図り、協力して行動します。
(利用者ニーズの代弁)
5 介護福祉士は、暮らしを支える視点から利用者の真のニーズを受けとめ、それを代弁していくことも重要な役割であると確認したうえで、考え、行動します。
(地域福祉の推進)
6 介護福祉士は、地域において生じる介護問題を解決していくために、専門職として常に積極的な態度で住民と接し、介護問題に対する深い理解が得られるよう努めるとともに、その介護力の強化に協力していきます。引用元:日本介護福祉士会「日本介護福祉士会倫理綱領」
(後継者の育成)
7 介護福祉士は、すべての人々が将来にわたり安心して質の高い介護を受ける権利を享受できるよう、介護福祉士に関する教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぎます。
日本介護福祉士会 倫理基準(行動規範)
(利用者本位、自立支援)
1 介護福祉士は、利用者をいかなる理由においても差別せず、人としての尊厳を大切にし、利用者本位であることを意識しながら、心豊かな暮らしと老後が送れるよう介護福祉サービスを提供します。
2 介護福祉士は、利用者が自己決定できるように、利用者の状態に合わせた適切な方法で情報提供を行います。
3 介護福祉士は、自らの価値観に偏ることなく、利用者の自己決定を尊重します。
4 介護福祉士は、利用者の心身の状況を的確に把握し、根拠に基づいた介護福祉サービスを提供して、利用者の自立を支援します。
(専門的サービスの提供)
1 介護福祉士は、利用者の生活の質の向上を図るため、的確な判断力と深い洞察力を養い、福祉理念に基づいた専門的サービスの提供に努めます。
2 介護福祉士は、常に専門職であることを自覚し、質の高い介護を提供するために向上心を持ち、専門的知識・技術の研鑚に励みます。
3 介護福祉士は、利用者を一人の生活者として受けとめ、豊かな感性を以て全面的に理解し、受容し、専門職として支援します。
4 介護福祉士は、より良い介護を提供するために振り返り、質の向上に努めます。
5 介護福祉士は、自らの提供した介護について専門職として責任を負います。
6 介護福祉士は、専門的サービスを提供するにあたり、自身の健康管理に努めます。
(プライバシーの保護)
1 介護福祉士は、利用者が自らのプライバシー権を自覚するように働きかけます。
2 介護福祉士は、利用者の個人情報を収集または使用する場合、その都度利用者の同意を得ます。
3 介護福祉士は、利用者のプライバシーの権利を擁護し、業務上知り得た個人情報について業務中か否かを問わず、秘密を保持します。また、その義務は生涯にわたって継続します。
4 介護福祉士は、記録の保管と廃棄について、利用者の秘密が漏れないように慎重に管理・対応します。
(総合的サービスの提供と積極的な連携、協力)
1 介護福祉士は、利用者の生活を支えることに対して最善を尽くすことを共通の価値として、他の介護福祉士及び保健医療福祉関係者と協働します。
2 介護福祉士は、利用者や地域社会の福祉向上のため、他の専門職や他機関と協働し、相互の創意、工夫、努力によって、より質の高いサービスを提供するように努めます。
3 介護福祉士は、他職種との円滑な連携を図るために、情報を共有します。
(利用者ニーズの代弁)
1 介護福祉士は、利用者が望む福祉サービスを適切に受けられるように権利を擁護し、ニーズを代弁していきます。
2 介護福祉士は、社会にみられる不正義の改善と利用者の問題解決のために、利用者や他の専門職と連帯し、専門的な視点と効果的な方法により社会に働きかけます。
(地域福祉の推進)
1 介護福祉士は、地域の社会資源を把握し、利用者がより多くの選択肢の中から支援内容を選ぶことができるよう努力し、新たな社会資源の開発に努めます。
2 介護福祉士は、社会福祉実践に及ぼす社会施策や福祉計画の影響を認識し、地域住民と連携し、地域福祉の推進に積極的に参加します。
3 介護福祉士は、利用者ニーズを満たすために、係わる地域の介護力の増進に努めます。引用元:日本介護福祉士会「日本介護福祉士会行動規範」
(後継者の育成)
1 介護福祉士は、常に専門的知識・技術の向上に励み、次世代を担う後進の人材の良き手本となり公正で誠実な態度で育成に努めます。
2 介護福祉士は、職場のマネジメント能力も担い、より良い職場環境作りに努め、働きがいの向上に努めます。
倫理綱領と行動規範には、優しさや思いやりといった人間性に関わる文言は書かれていません。
介護のプロとして、利用者に対してどのような支援をすることが大切なのかが示されています。
倫理綱領と行動規範で大切なことをまとめると、以下のようになります。
- 利用者の利益を優先すること
- 利用者の自己決定を支援すること
- 利用者のニーズを代弁すること
- 専門的視点をもって支援すること
上記4つの項目を満たすことを最優先しましょう。
被介護者である利用者が介護サービスを利用することで報酬が発生するのだから、当然と言えば当然だよね。
そして介護サービスを提供するにあたり、職業倫理として守るべきポイントが上記4つの項目なのです。
また、すべての目的は利用者のQOLの維持向上であることを忘れないようにしましょう。
もし何かに迷ったら、「利用者のQOLの維持向上のためにはどうすべきか」を考える癖をつけておくとサービスの質が高まります。
では、これらを満たすために介護職はどのような専門性が求められるのでしょうか?
介護職に求められる専門性は大きく分けて2つ、知識と技術です。
それでは以下、知識と技術について詳しく解説していきましょう。
介護職に求められる専門性【知識】
介護職が身につけるべき知識を分かりやすく分類すると、以下のようになります。
- 利用者についての知識
- 介護過程の知識
- 医療的な知識
- 制度の知識
- マーケティングの知識
それぞれ、詳しく解説していきます。
利用者についての知識
まずは介護の対象者である利用者のことを深く理解する必要があります。
理解が必要な理由は、次の通りです。
- 安心してもらうため
- 変化に気づけるようにするため
例えばあなたが介護サービスを受ける側だとしたら、あなたのことを全く知らない人と全てを分かっている人のどちらが安心できるでしょうか?
自分のことを分かってくれている人の方が安心できますよね。
ですので、まずは関わる利用者のことはよく知っておきましょう。
身体状況、健康面、精神面、生活環境など、少なくともアセスメントシートの内容は一通り頭に入れておこう。
- 身体状況
-
ADL、可動域、既往歴、障害、コミュニケーション方法
- 健康面
-
服薬、食生活、医師からの指示
- 精神面
-
性格、嗜好、これまでの経歴
- 生活環境
-
家族構成、キーパーソン、経済状況、生活リズム
上記以外にも利用者本人を形成する事柄は可能な限り知っておきましょう。
アセスメントの段階で理解できることもあれば、深くコミュニケーションを取らないと理解できないこともあります。
まずは積極的に関わって雑談しよう。
何気ない日常会話の中にこそ、利用者本人を理解する要素があるものです。
そうして理解が深まれば深まるほど、その利用者の「普段」を知ることができます。
「普段」を知らなければ、「変化」を気づくことはできません。
例えば、検温の結果が36.5℃だったとします。
この数字だけを見ると、「まあ普通くらいだな」と思いますよね。
しかし普段は平熱が35℃台の方だったとしたらどうでしょうか?
「少し熱があるな」と思うはずです。
このように「普段」を知ることで初めて「変化」に気づくことができるのです。
また、きちんと変化に気づくことで利用者やご家族の安心にもつながるでしょう。
介護過程の知識
介護過程とは、その人らしく安心して暮らせるように問題点の改善・解消を目的として、どのような介護が必要なのかを考え実践するという道筋のことです。
「アセスメント→介護計画の立案および作成→介護の実践→評価」まで、一連の流れを介護過程と呼びます。
それぞれの項目の内容を具体的に言うと、以下のことです。
- ①アセスメント
-
情報の収集、分析、解釈、統合
- ②介護計画の立案、作成
-
目標設定、具体的な支援方法
- ③介護の実践
-
実施状況の把握、実施過程の記録
- ④評価
-
計画の達成度、利用者の変化、不可能な理由、計画修正の必要性
介護を実践する際には、このような手順を踏むことが必須です。
介護職はその場の思いつきで「なんとなく介護サービスを提供する」のではなく、介護の専門家として「目的・根拠」を持って論理的に介護サービスを提供しなければなりません。
論理的に介護を組み立てることによって、課題が明確になるメリットがあります。
つまり、①~④の一連の流れを繰り返すことで介護サービスの質の向上につながるのです。
介護過程をもっと詳しく知る>>>【1年目でもわかる】介護過程とは?目的・意義・全体像を現役介護職が解説
医療的な知識
介護職が医療の知識が必要な理由はたったひとつです。
医療のニーズに気付くことができる
利用者を支える関係者は、介護職だけではありません。
理学療法士、作業療法士、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員、相談支援専門員など、実に様々な職種が関わっています。
それらの関係者はチームであり、連携して利用者の生活を支えていかなければなりません。
その連携に欠かせないのが、利用者に日頃から接している介護職の「医療ニーズの気付き」なのです。
利用者の中には日常的に医療を必要としている方も少なくありません。
在宅ケアでの医療のニーズは、実はとても多いのだ。
そのため日頃から接している介護職が、医療に関する知識を深めることが大切になります。
その結果、対象の利用者の医療の必要性に気付くことができるようになりスムーズに医療につなげることができるのです。
制度の知識
介護職が知っておくべき制度は、高齢者なら介護保険制度、障害者なら障害福祉サービスや地域生活支援事業の制度です。
制度の中でも特に知っておくべきポイントをお伝えします。
- 仕組み
- 財源
- 対象者と利用条件
- 使えるサービス
- 申請・利用の手順
- 自己負担について
上記については、厚生労働省のHPに一次情報が掲載されています。
- 介護保険制度>>>厚生労働省「介護保険について」
- 障害福祉サービス>>>厚生労働省「障害福祉サービスについて」
- 地域生活支援事業>>>厚生労働省「地域生活支援事業」
このブログでも、障害福祉サービスについて解説した記事がありますので参考にしてください。
- 【障害福祉サービス①】身体介護・家事援助・通院等介助・重度訪問介護
- 【障害福祉サービス②】同行援護・行動援護【障害のある方の外出支援】
- 【障害福祉サービス③】重度障害者等包括支援【重度の障害がある方へのサービス】
- 【ホームヘルパー】障害のある方への介護Q&A【よくある質問】
では、なぜこのような制度の知識が必要なのでしょうか?
介護職歴20年の筆者の経験から、次のことが言えます。
- 利用者やご家族から質問される
- 後輩や部下に教える機会が山ほどある
- 関係者とのやり取りがスムーズになる
- 管理職候補になれる
- 仕事が面白くなる
まず圧倒的に多いのが、質問に答える場面です。
「〇〇のようなことはできますか?」「どのくらい利用できますか?」
利用者やご家族だけでなく、後輩や部下にもこのような質問に答える場面がとても多いのです。
その時、その場でサッと答えられることで仕事のスピードやレスポンス、報告の内容もレベルアップします。
その結果、サービスの質も向上するでしょう。
また、制度を含めた全体像を把握することは管理職に必要ですし、何より仕事が面白くなります。
制度は定期的に改正されていくため、常に最新の情報にアップデートすることも忘れないようにしましょう。
マーケティングの知識
介護職は、営業職です。
営業の役割というのは、利用者の課題を見つけ、解決に導き、新たな価値を提供することにあります。
利用者が求めているのは介護サービスそのものではなく、「介護サービスを受けた結果どのような生活を実現できるか」なのです。
利用者の真のニーズを探り出し、適切な介護サービスを提供することでそれぞれが理想とする未来を実現し、さらに新たな価値を創造する。
まさにマーケティングの定義!
実はこのようなマーケティング思考で仕事に取り組むことで、仕事が面白くなる可能性もあるメリットもあります。
※もっと詳しく知りたい人はコチラ>>>【仕事がつまらない人必見】世界が変わる「介護DEマーケティング思考」
続いて、介護職に求められる技術を解説していきます。
介護職に求められる専門性【技術】
介護技術は、奥が深いです。
介助動作ひとつとっても、一朝一夕で身につくものではありません。
そのため、ここでは食事介助や移乗などの細かい解説ではなく「技術を発揮するために必要なこと」をお伝えします。
- 対人援助という理解
- チームで取り組む姿勢
- コミュニケーション能力
それぞれ解説していきましょう。
対人援助という理解
まず介護サービスは、対人援助であるということ。
対人援助とは、人と人との関係性によって行われます。
介護職は利用者と良好な関係性、すなわち信頼関係を築くことが介護サービスの第一歩です。
信頼関係がなければ、いくら介助技術が高くても利用者は安心して介護サービスを受けることはできません。
信頼関係なくして技術は語れないよ。
そして信頼関係を築くためには、自分を知り、相手を知ることです。
自分を知るということは、自分自身を客観視して相手から「どう見られているか」を理解することです。
相手を知るということは知識の項目でも解説した通り、利用者についての知識を深めるということです。
介護職員初任者研修などで習った技術を発揮するには、まずは信頼関係を築くことに重点を置きましょう。
チームで取り組む姿勢
介護サービスは、個人プレイでは成り立ちません。
ひとりの利用者に対して、複数人で介護にあたります。
同じ職場なら介護職同士や看護師、広い視点でみると理学療法士や作業療法士、ケアマネ(相談支援専門員)、医師がひとつのチームです。
なぜなら、様々なニーズに応えていくためには多角的な視点で考える必要があるからです。
チームで取り組む介護の例を挙げてみましょう。
- 脳性マヒ
- 平日は生活介護事業所に通所
- 自宅では障害福祉サービスの訪問ヘルパーを利用
- ひとり暮らし
- 車いすを使用しているが多少なら歩ける
Aさんの要望「筋力が衰えないように歩行などで維持したい」
相談支援専門員と介護ヘルパーがAさんの通院に同行し、まずは歩行のトレーニングを行える状態かを医師に確認。リハビリ指示書を書いてもらう。
リハビリ指示書をもとに、療法士とどのようなトレーニングが適切かを相談。
生活介護事業所でのリハビリと合わせてリハビリ計画を立てる。
自宅周辺を歩行する際に、相談の上で決定した内容のトレーニングを実施。
どの介護ヘルパーでも対応できるように情報を共有。
経過を療法士に報告しながら、必要であれば修正をしていく。
筆者の職場で実際にあった例です。
もしチームで取り組んでいなければ、Aさんは散歩がてら独自のトレーニングを実施していたことでしょう。
このように、より質の高い介護サービスを展開していくためにはチームで取り組む意識が必要なのです。
また、チームで取り組むためにはコミュニケーションが重要になります。
コミュニケーション能力
介護職にとってコミュニケーション能力は必須です。
コミュニケーション能力というと、話すのが上手・社交的などのイメージがありますが、それだけではありません。
ここでは介護職に必要なコミュニケーション能力を、エン・ジャパン株式会社の「3Eテスト」からピックアップしてお伝えしていきます。
- 意思伝達力
-
自分の考えを相手に伝える力
- 論理的表現力
-
筋道を立てて説明したり文章にできる力
- 好感表現力
-
感じの良さを意図的に表現できる力
- 対人調和力
-
相手の意図や感情を理解し配慮する力
意思伝達力
まずは意思伝達力です。自分の考えや感じた気づきを相手に伝える力です。
意思伝達力の高い人は、自分の意見を相手にしっかりと理解してもらおうとする姿勢が強く、相手の性格や考え方などに合わせて伝え方を変えることができます。
必要な伝達事項を分かりやすく伝えることで、仕事をスムーズに運ぶことができます。
逆に意思伝達力の低いと、利用者の状況がうまく伝わらなかったり間違って伝わったりしてしまい、トラブルの原因になりかねません。
論理的表現力
続いて論理的表現力です。わかりやすく整理して相手に伝える力です。
論理的表現力が高い人ほど、筋道立った説明やわかりやすい文章の作成などができます。
それにより、
- 多職種との意思疎通
- 業務の背景や内容を共有する
- 上司への報告・連絡・相談
- 計画の立案
- 介護の記録
といった介護現場で必要な物事を簡潔にわかりやすくしたり、スムーズに運ぶことができるでしょう。
好感表現力
続いては好感表現力です。好感を持てるような態度・姿勢を表現する力です。
これまでの解説でもわかるように、自分ひとりで完結する仕事はありません。
誰かと一緒に仕事をするわけですから、どこかで協力してもらえるように依頼をすることもあるでしょう。
そこで大事になるのが、好感表現力です。
何かを依頼された時に、感じの良い人から依頼されるのと、感じが悪い人から依頼されるのであればどちらに協力したいと思いますか?
感じが良ければ、気持ちよく受け入れてくれるでしょうし、物事は円滑に進みやすいはずです。
好感表現力の高い人は「あの人に頼まれたら、協力したくなる」「いつも印象がいいから手伝ってあげよう」など、仕事においてプラスになることも少なくありません。
好感を持てるような態度・姿勢を表現することができるのも、大事なコミュニケーション能力のひとつです。
対人調和力
最後は対人調和力です。これは相手に耳を傾ける力とも言えます。
コミュニケーションは一方通行では成立しません。お互いの理解があってはじめて成立するものです。
もし否定から入ってしまうとコミュニケーションは成立しなくなりますので、まずは相手のことを受け止める姿勢をもつことが大事です。
「なぜ相手はそう考えているのか」「何を求めているのか」ということを探るためにも、まずは相手に理解を示し共感する。
対人調和力の高い人はこうした態度を示すことができ、コミュニケーションがより活発になり建設的な会話ができるようになります。
介護職に大切なこと・求められる専門性のまとめ
今回の内容をまとめると、以下のようになります。
これを分かっておきましょう。
そのために介護職が大切にすべきことは、
- 利用者の利益を優先すること
- 利用者の自己決定を支援すること
- 利用者のニーズを代弁すること
- 専門的視点をもって支援すること
であり、これらを満たすために求められる専門性は、知識と技術です。
- 利用者についての知識
- 介護過程の知識
- 医療的な知識
- 制度の知識
- マーケティングの知識
- 対人援助という理解
- チームで取り組む姿勢
- コミュニケーション能力
利用者本人を充分に理解し潜在的なニースを探り、介護過程の流れをチームで実践し改善を図りながらサービスの質を上げていき利用者のQOLの維持向上を目指す。
これが「介護職が大切にすべきこと」、「求められる専門性」なのです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事があなたの介護職人生の一助になれば幸いです。
では、また!
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