今回は「転職活動完全ガイド②応募編」ということで、求人応募について解説していきます。
さて、応募編の最大のポイントは再現性と継続性です。
これらを応募書類でどれだけ志望企業に伝えられるかが重要になります。
この記事を読んでいただくことで再現性と継続性を伝えつつ、「バッチリ通過する応募書類」を作成できるようになります。
- 応募書類の作成に苦戦している人
- 作成した応募書類を添削したい人
上記の人は、ぜひ最後までご覧ください。
- 介護業界20年、現役の居宅介護事業所管理者 兼 相談支援専門員が執筆。
- 持っている資格:ホームヘルパー2級、介護福祉士、ケアマネジャー、相談支援専門員
- 介護業界で面接を担当した人数は150名以上
- 介護業界で転職を3回経験
応募書類の一番大事な原則
まず応募書類を書く前に、本記事の核となる一番大事な原則をお伝えします。
原則とは、採用担当が見る2つのポイントのことをいいます。
その2つのポイントとは、冒頭でもお伝えした通り再現性と継続性です。
前の会社で活躍したように、内の会社でも活躍してくれるのか?即戦力になれるのか?
ただし、「未経験OK」のところであれば即戦力になれなくてもOKです。
内の会社で末永く働き続けてくれるのか?
特に転職エージェントを通しての採用は何十万ものお金がかかるため、すぐに辞められたら大損害になります。
長く働いて仕事をしてくれることで採算が取れるのです。
これらは面接にも通じる大原則なので、必ず覚えておこう。
再現性と継続性を証明する応募書類の項目は次の通りです。
- 再現性:職務経歴と自己PRで証明する。
- 継続性:志望理由で証明する。
それぞれ、書き方を詳しく解説していきます。
職務経歴と自己PRで再現性をアピールしよう!
職務経歴と自己PRで再現性をアピールするには、次の3つの鉄則を守ってください。
- 自分ではなく相手目線
- 実績を達成した具体的行動
- 急所を狙う
上記の鉄則を守って書類を作成していきましょう。
ちなみに履歴書・職務経歴書は、dodaもしくはリクナビNEXTを参考にしてください。
数パターンのテンプレートがあり、状況に応じて使い分けることもできます。
①自分ではなく相手目線
まず一つ目は、自分目線ではなく相手目線を意識するということです。
なぜなら、自分目線で書いてしまうことによって曖昧な表現になりやすく相手に伝わらないからです。
例を挙げてみましょう。
離職率低下の一環として、新人教育マニュアルの改変を任され作成した経験があります。
これは、何がいけないのかな?
これを相手目線にするために添削してみるね。
離職率が高いことに課題を感じ、新人教育マニュアルの改変を提案して作成しました。
その結果、離職率〇%を△%まで引き下げました。
あ!わかりやすい!
何で分かりやすくなったか、ポイントを説明するね。
ここで伝えたいポイントは1つです。
たったこれだけですが、採用する側にとってはわかりやすい指標のひとつになります。
でもさ、アピールできることの中には数値化できないものもあるんじゃない?
その通り。
そういう場合は、鉄板の伝え方があるんだ。
②実績を達成した具体的行動
数値化できる実績を具体的な行動と共に伝えられればそれが一番なのですが、そうそう数字に表せる実績ばかりではありません。
数値化できない実績を伝える場合には、具体的に何をしたかをエピソードを交えて伝えます。
生々しいエピソードを交えることで、結果が大したことなくても相手に再現性を感じさせることができます。
良い例と悪い例を挙げてみましょう。
訪問ヘルパーを嫌がる利用者を根気よく3年間担当し、持ち前の明るさ、コミュニケーション能力を発揮して深い信頼関係を構築しました。
うんうん、これだと具体的な行動がわからないね…
再現性をアピールするには、問題を解決した際の具体的な行動までアピールする必要があるんだ。
これだと、どのようにして信頼関係を築いたかが曖昧で伝わりにくいよね。
訪問ヘルパーを嫌がる利用者に対して「なぜ嫌がるのか」を分析するべく、再アセスメントから様々な仮説を立てました。
利用者自身も「なぜ嫌なのか」をうまく言葉にできないようでしたので、立てた仮説をひとつずつ立証していきました。
結果、「利用者が自身の身体の状態を受け入れられていないこと」と「近所にヘルパーを利用していることがバレたくない」といった理由でした。
前者については、医師の協力や共感の姿勢を徹底し、後者については訪問時の大きな声での挨拶は控えるようにしました。
すると徐々に利用者のヘルパーに対する態度が変わっていき、必要な介助を受け入れてくれるようになりました。
エピソードを交える際には、「STAR」というフレームワークを使うといいよ!
- S(シチュエーション:状況)
- T(タスク:課題)
- A(アクション:行動)
- R(リザルト:結果、成果)
上記の例で説明すると、
- 状況→訪問ヘルパーを嫌がる利用者がいた
- 課題→「なぜ嫌なのか」をうまく言葉にできない
- 行動→再アセスメントから仮設を立て、ひとつずつ立証していった
- 結果→「なぜ嫌なのか」の原因が分かり、具体的に〇〇の方法で対応して介助を受け入れてくれた
このようなフレームワークに沿って伝えると分かりやすいよね。
フレームワークを活用する際にも、再現性を感じさせるポイントが2つあります。
再現性を感じさせる2つのポイント
- 状況と課題を、上司からの指示ではなく自分が分析した(仮説を立てる力)
転職のテクニックではなく、日頃から意識していくべきことです。
仮説を持って仕事をしている人は転職活動において無敵になれます。
- 結果だけではなく具体的な行動が大事
結果が大したことなくても、生々しい具体的な行動を伝えることで採用側は再現性を感じます。
いやすごくわかったんだけど、そもそも相手に刺さることをアピールできるかどうかが問題なんだよね…
おっ、相手目線になってきたね。
その通り、相手に刺さらなきゃフレームワークも意味がないよね。
そこで大切になるのが、これだ!
③急所を狙う
え!やばいやばい!危ないよ!
人体の急所を狙ってはいけません!(笑)
企業が求める人物像に、自分を寄せていくこと。
企業が求めるのは、「すごい人」ではなく「マッチした人」です。
「高収入のイケメンじゃなくて、自分を分かってくれる人がいい」
みたいなことか!
そうだね!そういうこと!
(なんだか急におバカっぽいな…)
でも、どうやったら企業が求める人物像を知ることができるの?
それは、求人情報を見たり転職エージェントに聞けば分かるよ。
評判の良い転職エージェントをチェックする→求人サイト比較レビューTOP3
再現性をアピールするコツがわかったかな?
次は、継続性のアピールにいってみよう!
志望理由で継続性をアピールしよう!
志望理由を書くときの鉄板の構成があります。
正直、この構成で書いておけば採用担当に刺さること間違いなし!
採用担当に必ず刺さる志望理由の書き方
採用担当に必ず刺さる志望理由の構成は、次の通りです。
私はこんな思いを持って転職活動をしています
そんな中で御社の〇〇を大変魅力的だと思いました
私の思いやスキルを御社の〇〇に貢献することで実現したいです
わかりやすく例を挙げてみましょう。
転職の軸が年収である場合の例です。
私は、生活介護施設で3年、訪問介護事業所で5年経験を積み、介護福祉士の他に医療ケアのニーズに応えるために喀痰吸引研修も所持しております。現在、自身の待遇を見直すために転職活動をしております。
そんな中で御社のHPを拝見し、スタッフを大切にしていること、そして何より重症心身障害の方を対象としていることに大変魅力を感じました。
私の経験と資格を、御社の対象としている重症心身障害の方の支援に役立てたいと思いました。
また、御社の「全ての人々が安心して暮らせる地域作り」という社会的意義のある理念の実現にも、私の経験とスキルをもって貢献したいです。
うーん、スキルも経験も豊富なわけじゃないし難しいよ…
という人には、ダメなパターンを見た方がわかりやすいかもしれないね。
よくあるダメな志望理由
よくあるダメな志望理由になってしまうのは、ほとんどの場合は次の2つのパターンになってしまっているんだ。
- ただ褒めてるだけパターン
- 欲望丸出しパターン
見るからに良くなさそう!
でもこれが本当に多いんだよね。
①ただ褒めてるだけパターン
このパターンがめちゃくちゃ多いんだよね…
褒めるって、志望企業を褒めるんだよね?
何でダメなんだろ?
ダメな理由としては、志望企業の魅力だけを語るのはHPを見れば誰でもできるからです。
大切なのは継続性を感じてもらうことですから、「転職の軸」と「志望企業の魅力」がマッチしていることをアピールしなければいけません。
②欲望丸出しパターン
欲望というのは転職の軸のことです。
転職の軸が前面に押し出されている伝え方がこのパターンです。
転職の軸は嘘のない本音でいいのです。
しかしそれをそのまま採用側に理解してもらうのは難しいでしょう。
したがって、伝える時は相手が喜ぶような建前に変換させる必要があります。
- ・残業したくない
-
自分の時間を確保して自己研鑽に充て、結果的に御社に貢献したいです。
- ・年収を上げたい
-
年収は自分の市場価値を計る大事な指標だからこそこだわりたいです。
その指標をもとに自分を磨き、結果的に御社の成長に貢献していきたいです。
欲望をうまく隠してる感じだね。
自分の希望が、志望企業にも良い影響を与えることを伝えればOKだよ。
でもどうしても転職の軸が継続性に結びつけられない時はね…
転職の軸が継続性のアピールにつながらない時は?
切り札は、社会的意義をアピールすること!(介護業界で特に刺さりやすい)
例えばどういう感じにするかというと…
- 訪問介護→住み慣れた自宅でその人らしく暮らせるお手伝いをする
- 生活介護→社会生活を充実して送るために必要な支援をする。リハにも焦点を当てていることで機能的な観点からも支援できる。
このように社会的意義を伝えることで、転職の軸を無理に伝えず後々の交渉にするのもひとつの方法です。
でもこれには注意点があるよ。
「なぜそう思ったのか?」を聞かれた場合、具体的なエピソードや体験談を用意しないと嘘っぽく聞こえてしまいます。
必ず、自身の体験談を踏まえて伝えるようにしよう。
再現性と継続性のアピールの仕方、よくわかったよ!
それじゃあ、次は応募書類作成のコツを話していこう。
履歴書作成のコツ
応募書類は、「履歴書」と「職務経歴書」の2つです。
これらは採用担当がまず最初に目にするあなたの情報です。
書類ひとつで人柄まで垣間見える場合もありますので、しっかりと丁寧に作成しましょう。
それじゃあ、まずは履歴書作成のコツを教えるね。
履歴書は、端的に言うと「今までどんな経歴を歩んできたか?」を確認する書類です。
今回募集している要件に合致しているかを採用担当者が確認するためだけにあり、ご存知のように名前や住所や学歴など事実を並べるだけの書類になっています。
しかしあまり工夫できない履歴書の中でも、いくつかの注意するポイントがあるんだ。
履歴書作成時の注意点
注意点は、「致命的なマイナスの印象を与えない」ことです。
具体的には、次のことに気をつけましょう。
- 誤字脱字が無いようにする
- 写真がしょぼい
- 本人希望欄は「どうしても譲れない条件だけ」を書く
- 致命的なネガティブ要因の注釈
それぞれ、補足しておくね。
①誤字脱字が無いようにする
超基本的なことですが、誤字脱字があるだけでマイナスな印象を与えてしまいます。
「あれ?この人は慎重さに欠ける人なのかな?」
「今回の応募はあまり本気じゃないのかな?」
このように思われないように、誤字脱字が無いかを重ねてチェックしましょう。
②写真がしょぼい
絶対に必要なほどではありませんが、写真は鮮明な方が印象は良くなります。
フォトスタジオで2,000円~3,000円で撮影できるので、できればプロに撮ってもらいましょう。
本気度も伝わりやすいよ。
③本人希望欄は「どうしても譲れない条件だけ」を書く
希望の条件などは、基本的に内定後の交渉で詰めていきます。
しかし「どうしても譲れない条件」がある場合は書いてもOKですが、プラスになることはありません。
それだけは注意しておきましょう。
基本的には、
貴社の規定に従います。
これだけ書いておけばOKです。
④致命的なネガティブ要因の注釈
致命的なネガティブ要因には、必ず注釈をつけましょう。
- 複数回の短期離職
- 職歴に空白の期間がある
など
注釈には、「原因・反省点&今後の対策」を書きます。
例えば、
- 【原因(事実)】前職はやりがいも給料も良かったが、深夜残業や休日出勤が多く、子育てに時間を割けなくなったため短期離職
- 【反省】事前に労働条件を入念にすり合わせるべきだった
- 【今後の対策】もし御社に内定頂けたら、綿密にすり合わせさせていただきたい
このように、自分にも非があったことを前提に伝えましょう。
前の職場を悪く言うことは絶対だめ!
他責思考の人と思われてしまうからね。
履歴書作成のコツは以上です。
続いて、職務経歴書作成のコツをお伝えします。
職務経歴書作成のコツ
職務経歴書は、「今までどんな仕事を経験してきたか?を整理する書類」です。
- いつ?(期間)
- どこで?(会社、部署)
- どんな仕事をしてきたか?(業界、職種)
- 実績は?
- アピールポイントは?(自己PR)
職務経歴書の中の、「職務経歴」と「自己PR」では再現性を証明しなければいけません。
しっかりと作成して、再現性をアピールしましょう。
好事例を参考にする
一番良い方法は、まずは好事例を参考にして作成することです。
前述したように、dodaまたはリクナビNEXTを参考にしてください。
テンプレートをご覧いただくと、数種類の職務経歴書があります。
- 編年体式:業務経験を時系列に記す書式。同一業務での習熟度を伝える。
- 逆編年体式:時系列を逆にして最新の経験から伝える書式。直近の業務をアピールしたい人向け。
- キャリア式:職務内容ごとに経歴をまとめた書式。複数の分野で経験を積んだ人向け。
- スキルシート形式:ITエンジニア向けの書式。プロジェクト型の職種に向いている。
転職が初めての人をはじめとする大体の人は「編年体式」でOKです。
また、複数の業態や業種を経験した人は「キャリア式」もアリです。
特にdodaの記入例はとても優秀なので、ぜひ参考にしてみてください。
次に、職務経歴書の最も重要な部分についてお話します。
最重要項目「職務要約」
職務要約は職務経歴書の冒頭の、一番最初に目に入る部分です。
ここでは、これまでの経歴の中で一番強調したいことに絞って書きましょう。
おっと、忘れてはいけない鉄則があったよね?
- 自分ではなく相手目線
- 実績を達成した具体的行動
- 急所を狙う
前述した「3つの鉄則」です。
必ず「企業側が求める人物像に寄せる形で」「相手目線で」「具体的行動を交えて」書くようにしましょう。
詳しい内容は面接でも話すことになるから、ここはあくまで要約して簡潔に書くことを意識しよう。
続いて自己PRです。
自己PRは使いまわせない
自己PRも職務要約と同じく、3つの鉄則を守って書きましょう。
この欄では、志望企業の求める人物像に合わせて自身の強みをアピールします。
- コミュニケーション力
- ロジカルシンキング
- マネジメントスキル
など
志望企業に合わせて書いたものは、つまり他の企業への提出はできない内容になっているはずです。
最終的なチェックは、使いまわしできない内容になっているかを確認してください。
職務経歴書で大切なのは、「再現性」と「どれだけ面接で話してみたいと思わせるか」だよ!
応募編まとめ
介護職の転職活動完全ガイド②(応募編)は以上です。
最後に、これまでの内容を簡潔にまとめます。
- 再現性:職務経歴と自己PRで証明する。前の職場と同じように志望企業で活躍できることをアピール。
- 継続性:志望理由で証明する。末長く志望企業で働けることをアピール。
応募書類は、履歴書と職務経歴書です。
書類のテンプレートは、dodaのものが優秀なので、ぜひ参考にしてみてください。
それぞれで再現性と継続性をアピールしましょう。
アピールする際のコツは3つの鉄則を守ることです。
- 自分ではなく相手目線:実績はできるだけ数値化して伝える。
- 実績を達成した具体的行動:経験談をフレームワーク「STAR」を活用して伝える。
- 急所を狙う:企業が求めている人物像に寄せてマッチングを狙う。「すごい人」ではなく「マッチした人」。
上記の鉄則を意識して応募書類を書きましょう。
次に、志望理由では継続性をアピールします。
継続性のアピールには、次の3段構成を活用しましょう。
私はこんな思いを持って転職活動をしています
そんな中で御社の〇〇を大変魅力的だと思いました
私の思いやスキルを御社の〇〇に貢献することで実現したいです
転職の軸を伝える際には、相手が喜ぶような建前に変換しましょう。
よくあるダメなパターンは、「ただ褒めてるパターン」「欲望丸出しパターン」です。
しかしどうしても継続性をアピールするのが難しい人には、切り札があります。
社会的意義がある(介護業界の採用に刺さりやすい)
でも「なぜそう思ったのか?」を聞かれた場合、具体的なエピソードや体験談を用意しないと嘘っぽく聞こえるから注意してね。
以上を踏まえた応募書類作成するコツは次の通りです。
- 誤字脱字が無いようにする
- 写真がしょぼい:フォトスタジオで2,000円~3,000円でプロに撮ってもらえる。
- 本人希望欄には「どうしても譲れないポイント」だけを書く:基本は「貴社の規定に従います」でOK。
- 致命的なマイナス要因の注釈:【事実・原因】【反省】【今後の対策】に分けて書く。
とにかくマイナスな印象を与えないようにすることが大切だよ。
続いては職務経歴書です。
職務経歴書を書く際のコツは次の通りです。
本記事は以上になります。
介護職の転職活動完全ガイド①(準備編)でもお伝えしましたが、転職活動にかかる費用は写真代だけです。
求人サイトの登録やサービス利用は全て無料ですので、ぜひ転職活動を通じて自分の市場価値を計ってみましょう。
本記事が、あなたのより良い転職活動の一助になれば幸いです。
では、また!
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