介護の現場では人手不足に悩まされています。
人手不足の原因のひとつは、ズバリ「収入の低さ」でしょう。
介護に興味があるけど給料が安くて働けないな…
このように思っている人も多いでしょう。
すでに介護の仕事をしている人の中には、
いくら働いても給料が上がらないよ…
このように感じている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、収入の上げ方を紹介していきたいと思います。
本記事で解説する収入の上げ方は、夜勤や残業などによる手当は含まれていません。
効率的に「時間当たりの給料を上げる方法」を解説しています。
夜勤や残業の手当で収入が上がるのは当たり前だからね。
当ブログは「介護職の年収を上げる」ことをテーマにしており、本記事で解説する3つの方法が主軸になります。
その3つの方法とは、次の通りです。
上記3つの方法は、実際に筆者が経験した確実に給料が上がる方法です。
- 介護の仕事を始めたいけど収入が低くて躊躇している人
- 介護の仕事をしているけど今後の収入に不安がある人
これらに当てはまる人は、ぜひ本記事を読んでくださいね。
- 介護業界20年、現役の居宅介護事業所管理者兼相談支援専門員が執筆。
- 持っている資格:介護福祉士、ケアマネージャー、相談支援専門
- 年収:ざっくり520万円
- 優良な求人サイトを探す>>>介護職の求人サイト比較おすすめ3選
- 転職活動のノウハウを知る>>>介護職の転職活動完全ガイド
- 介護資格の取得を目指している>>>介護の資格を無料で取得する2つの方法
介護職の収入を上げる方法その①資格取得
まず1つ目の方法は、資格を取得することです。
これは王道って感じだね。
介護の資格を取得することによって資格手当がつきます。
資格手当がつく主な介護資格は以下の通りです。
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護支援専門員
上記の資格の概要と、だいたいの手当の金額を紹介していくよ。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修の資格手当は、およそ2,000円~5,000円です。
介護職員初任者研修は、介護職としての基本的な知識や技術を習得できる研修で、費用も安く受講期間もそれほど長くありません。
>>>介護職員初任者研修はどうやったら取得できる?なるべく安く、何なら無料で資格を取りたい!
採用の条件となっている事業所も多く、無資格の人は優先的にこの資格を取得することをオススメします。
実務者研修
実務者研修の資格手当は、およそ3,000円~8,000円です。
実務者研修は、介護職員初任者研修よりも実践的な介護の知識・技術を学習する研修です。
介護職員初任者研修を修了していれば費用は安く抑えられますが、無資格から実務者研修を受講する場合はかなり高い費用がかかります。
介護職員初任者研修を修了していれば約30,000円~50,000だけど、
無資格だと約140,000円~220,000円と、めちゃくちゃ高くなるよ。
高っ!まずは介護職員初任者研修を修了しておいた方がいいんだね。
実務者研修は、次に説明する介護福祉士を取得するためにも受講する必要があります。
そのため、会社で費用を負担してくれる場合があります。
受講を考えている人は一度それぞれの勤務先に確認してみましょう。
介護福祉士
介護福祉士の資格手当は、およそ10,000円~15,000円です。
介護福祉士は、介護職として唯一の国家資格です。(2022年9月時点)
介護福祉士国家試験に合格することで資格を取得できますが、国家試験を受験するためには受験資格を満たさなくてはいけません。
社会福祉士
社会福祉士の資格手当は、およそ0円~15,000円です。(手当が無いところもあります)
社会福祉士は相談援助職の国家資格で、直接的な介護に関する資格ではないため手当が無いところも多いようです。
介護福祉士と同じように、社会福祉士国家試験に合格することで資格を取得できます。
介護支援専門員
介護支援専門員の資格手当は、およそ0円~20,000円です。
こちらも社会福祉士と同じように直接的な介護に関する資格ではないため、手当が無いところも多いようです。。
相談援助職や国家資格に基づく実務の経験を積んだのちに試験に合格し、研修を受講することで資格を取得できます。
資格手当がつく主な資格は以上です。
まずは介護福祉士を目指すのがいいかもね!
そうだね。
次に説明する「キャリア」についても関わってくるから一概には言えないけど、まずは介護福祉士を目指すのが一般的だね。
介護職の収入を上げる方法その②キャリアアップ
2つ目の方法は、キャリアアップしていくことです。
キャリアアップしていくことで、役職手当がつくだけでなく基本給が上がるケースもあります。
また、相談業務など別のキャリアを目指すことでも手当や基本給が変化します。
これから介護の仕事に就く人は、希望の職場のキャリアアップによる給与の情報は収集しておきましょう。
役職手当はわかるんだけど、単純に勤続年数での昇給ってあるのかな?
もちろん、勤続年数が長くなればそれだけ責任ある仕事を任されるケースが多いからね。
給料は上がるよ。
勤続年数による給料の違いは、厚生労働省が公表している「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」にデータがあります。
例えば、介護福祉士を所有している介護職員の勤続年数による給与の変化を見てみると…
勤続年数 | 平均月給(円) |
---|---|
1年(1年~1年11か月) | 293,620 |
2年(2年~2年11か月) | 303,770 |
3年(3年~3年11か月) | 304,360 |
4年(4年~4年11か月) | 307,130 |
5年(5年~5年11か月) | 308,860 |
6年(6年~6年11か月) | 314,040 |
7年(7年~7年11か月) | 319,530 |
8年(8年~8年11か月) | 321,810 |
9年(9年~9年11か月) | 327,180 |
10年(10年~10年11か月) | 335,230 |
11年(11年~11年11か月) | 344,960 |
12年(12年~12年11か月) | 343,360 |
13年(13年~13年11か月) | 347,340 |
14年(14年~14年11か月) | 341,800 |
15年(15年~15年11か月) | 359,620 |
16年(16年~16年11か月) | 359,550 |
17年(17年~17年11か月) | 370,340 |
18年(18年~18年11か月) | 382,700 |
19年(19年~19年11か月) | 368,960 |
20年(20年~20年11か月) | 396,630 |
勤続10年で約4万円、勤続20年で約10万円上がっているよね。
ちゃんと勤続年数で昇給する仕組みができてるんだね。
介護職員等特定処遇改善加算によるところが大きいかもね。
介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める。
具体的には、他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることを前提に、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費1000億円程度を投じ、処遇改善を行う。
なるほど!10年頑張ればこういう恩恵が得られるんだね!
うんうん、10年同じ職場で頑張れば…ね…
あ…10年ってめちゃくちゃ長いよね…
そう思う人も結構いると思うんだ。
そんな人にこそ、次の方法が合ってると思うよ。
介護職の収入を上げる方法その③転職
最後に3つ目の方法、転職です。
転職で改善できる要素はたくさんありますが、その中のひとつが「収入」です。
転職によって果たせる給料アップの手段は、
- 自身の市場価値
- 事業所の違い
- 経験値
以上の3点です。
それぞれ解説していこう。
①自身の市場価値
給料というのは、自分の市場価値を計る指標でもあります。
今、あなたが置かれている状況は果たして適切なのでしょうか?
それは、まず転職活動をしてみないことにはわかりません。
転職活動をすることで、自分の市場価値を知ることができます。
市場価値を知ってどうするの?
自分の待遇が適切かどうかを、自分の市場価値を知って見極めるんだよ。
一番怖いのは、自分の市場価値を知らずに今いる場所に満足してしまうことです。
確かに勤続年数が長くなれば昇給は見込めるかもしれません。
しかし、あなたのスキルや資格があればもしかしたらもっと上を狙えるかもしれません。
求人情報を見てみると、「リーダー募集」や「サービス提供責任者募集」と書かれているのを見かけませんか?
これらの役職には介護福祉士が必要条件になっていることがほとんどですが、逆に介護福祉士さえ持っていれば誰でも役職に就く機会があるのです。
今あなたがいる会社の管理職のポストが空いていない場合、そういった職場に思い切って転職することで給料が上がるでしょう。
②事業所の違い
介護の業態にはいろいろな種類があります。
訪問系や施設系でも違いますし、施設系でも通所施設や入所施設など多くの選択肢があります。
そしてそれぞれの業態によって報酬単価が違うため、職員への給料にも差があります。
給料面の改善であれば単純に報酬単価が高い業態に転職するのが手段のひとつです。
>>【高齢者介護】介護職の給与が高い事業所はどこ?規模や経験でどのくらい違う?
また、同じ業態でも事業所によって給料の差異がありますので、そのあたりは転職エージェントをうまく利用して情報を収集するのがベストです。
③経験値
前項のように転職によって別の業態を経験することで、自身の経験値が確実に上がります。
経験値かあ…
例えば僕は、高齢者の通所施設や訪問介護、障害者の通所施設と居宅介護を経験したけど、利用者の生活のあらゆる場面を見てきたよ。
介護の仕事は、利用者本人のパーソナルデータを知ることが最も大切です。
利用者の生活は大きく分けて私生活と社会生活の2つがあり、訪問系や入所施設では私生活、通所では社会生活を営んでいます。
そしてそれぞれの場面で利用者のニーズや自己実現の方法は全く違います。
自分に置き換えてみると分かりやすく、例えば会社と家では求めていることが全く違いますよね。
そういったそれぞれの場面での過ごし方や、利用者の生活の中で「今は何の時間なのか?」を理解するためには、実際にそれぞれの場面で支援することが一番の近道です。
つまりはこういうこと。
利用者本人を深く理解するには、実際に利用者の生活の様々な場面で関わることが一番の近道。
そして多くのケースを経験すればするほど、利用者の「今は何の時間?」を考えられるようになり適した行動をとれるようになる。
これが経験値だよ。
経験値を溜めることで、単純に「デキる職員」になり、転職時も希望の求人に受かりやすくなります。
また、様々な経験の中で取り組んだことや苦労した実体験を新しい職場にアピールできるのは、かなりの強みになります。
なるほどね!実体験でしか得られないことがたくさんあるんだね。
採用担当としても、いろいろな経験は評価が高くなるよ。
以上が、給料を上げる3つの方法です。
最後に、これまでの内容をまとめます。
まとめ
本記事で紹介した介護職の給料を上げる方法は、以下の3つです。
まず1つ目の方法は、資格を取得することです。
介護の資格を取得することによって資格手当がつきます。
資格手当がつく主な介護資格は以下の通りです。
資格の名称 | 資格手当の目安 |
---|---|
介護職員初任者研修 | 2,000円~5,000円 |
実務者研修 | 3,000円~8,000円 |
介護福祉士 | 10,000円~15,000円 |
社会福祉士 | 0円~15,000円 |
介護支援専門員 | 0円~20,000円 |
社会福祉士、介護支援専門員といった直接的な介護に関するものではない資格は、手当が無い事業所もあります。
次に2つ目の方法は、キャリアアップをすることです。
キャリアを積むことで、役職手当や基本給の昇給を狙います。
とはいえ役職は資格にリンクする部分もありますので、実務経験を積んで最低でも介護福祉士は取得しておきましょう。
勤続年数による昇給や手当は、10年を目安にしましょう。
なぜなら、「介護職員等特定処遇改善加算」による処遇の改善の恩恵を得られるからです。
介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める。
具体的には、他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることを前提に、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費1000億円程度を投じ、処遇改善を行う。
しかしながら勤続10年というのは今の時代、少々ハードルが高いように感じますね。
そこで次の方法があります。
最後3つ目の方法は、転職です。
今の時代、転職が当たり前になっていますよね。
2025年問題を乗り越えるためには仕事人生において最低2回は転職するべき
なんて書いてある有名なビジネス本まであります。
転職による給料アップの手段は、以下の3点です。
- 自身の市場価値
- 事業所の違い
- 経験値
①は、自身の市場価値を知ることで現在の待遇が適切かどうかを判断し、より待遇の良い職場に転職することです。
②は、業態による給料の差異を見極め、より待遇の良い職場に転職することです。
③は、いろいろな業態を経験して経験値を稼ぐために転職することです。
自分に合った給料アップの転職はどのようになるのか、無料で相談も受け付けていますので気軽にコメントをくださいね。
採用担当目線でお答えいたします。
本記事では、当ブログのテーマである「介護職の年収を上げる」ことにおける主軸の方法3つを紹介しました。
自分に合った給料アップの方法の参考になれば幸いです。
ではまた!
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