子どもが小学生になったから何か仕事をしようと思うんだけど、何がいいかな?
何か資格は持っているの?
一応、前にホームヘルパーをやっていたからヘルパー2級を持ってるよ。
せっかくならその資格を生かしてホームヘルパーやってみたらいいんじゃない?
でもブランクもあるし、前みたいに働けるか不安もあるし…
障害者のホームヘルパーはどうかな?
障害者のホームヘルプ?やったことないなぁ…
障害者支援の現場は雰囲気も良いところが多いし、復帰にはもってこいだと思うよ。
そうなの?でも、もう少し詳しく教えて欲しいな。
- 障害者支援に興味がある人
- 人と接する仕事が好きな人
- スキマ時間に働きたい人
- 女性が多い職場を探している人
そんなあなたに向けて、障害者のホームヘルパーのメリットとデメリットを紹介します。
「ホームヘルパーはハードルが高い」と迷っているあなたも踏ん切りがつく内容になっています。
たとえ無資格でも資格を取りながら働けるので、「無資格・未経験」の場合でも大丈夫です。
無資格・未経験からのキャリアアップなら⇒⇒介護専門求人サイトかいご畑ぜひ最後までご覧ください。
- 介護業界20年、現役の居宅介護事業所管理者 兼 相談支援専門員が執筆。
- 持っている資格:ホームヘルパー2級、介護福祉士、ケアマネジャー、相談支援専門員
- 介護業界で面接を担当した人数は150名以上
- 介護業界で転職を3回経験
では早速、本文へGO!
障害者のホームヘルパーのデメリット
えっ、いきなりデメリット!
まずはデメリットを理解してからの方がいいかな。
障害者の支援の仕事は素晴らしい仕事ですが、きれいごとだけではありません。
まずはしっかりとデメリットを理解して、クリアできるか判断しましょう。
そもそもホームヘルパーの仕事内容って何なの~?って人はコチラの記事を先にご覧ください。
休日が不定期
ホームヘルパーの仕事は、私生活の支援をする仕事です。
例えば通所施設なら土日は休みのところが多く、職員もそれに合わせた休日のシフトになります。
しかし私生活の支援に休みはないので、交代で休みを取ることになります。
したがって必ず土日が休みになるわけではありません。
小さい子どもがいるママは働きにくいのかな?
大丈夫1
面接時に伝えておくことで考慮してもらえる場合が多いよ。
包み隠さず話しておこう!
資格が必要
ホームヘルパーとして働くには、最低でも「介護職員初任者研修」という資格が必要です。
これは身体介護の仕事をする上で必須の資格になります。
施設系サービスであれば無資格でも働けますが、ホームヘルパーは1対1での支援になるため必要なのです。
介護職員初任者研修を取得するには、合計130時間の講習を受講する必要があります。(厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」)
さらに講習後に高齢者または障害者施設での実習も必要です。
料金は受講する会社によってバラつきがあるので、比較して安いところを探すのがオススメです。
介護職員初任者研修の資料を一括請求して比較する130時間の講習は結構大変だね。
最近ではオンラインで対応しているところも増えてるよ。
座学の部分を自宅で受講できると、かなり時間も作りやすくなるよね。
一度資料を取り寄せて流れを確認してみてね。
介護職として働くのであれば遅かれ早かれ資格が必要になります。
思い立ったが吉日、ってね。
ぜひ取得を目指してみてください。
昇給が渋い
渋いって、どういうこと?
百聞は一見に如かず、まずはこれを見てちょうだい。
なるほどねえ…
分かりやすく説明しよう。
- 30歳までは介護職の方が高い
- 40歳では同等
- それ以降はどんどん差が開く(一般企業が高くなる)
つまり、介護職のままだと昇給がほとんど見込めないってこと。
ええ~!
しかしこれはあくまでも「介護職のままなら」ってことね。
え~と、どういうことかなぁ?
給料を上げるためにどうするかは、ズバリこれ!
介護職で経験を積み、上級の資格を取得してキャリアアップをしよう!
なるほど!現場からのキャリアアップを目指せばいいのね!
年齢に限らず昇給を目指すなら、介護の経験と知識を着実に身につけることが大切なんだ。
キャリアアップについて知りたい方はコチラ→障害者支援の仕事におけるキャリアアップとは?
若い世代が少ない
実は、介護業界で働くスタッフの年齢層は40代~60代が半数以上を占めます。(厚生労働省「介護労働の現状」より)
20代~30代のスタッフが少ないと何が起こるかというと…
- 20代~30代のスタッフは同世代が少ない
- 保守的な考え方になりやすい
しかし超高齢化社会で40代以上の人口が圧倒的に多い世の中ですから、これはもう仕方ないです。
逆に、20代~30代の人にとっては年上のスタッフとのコミュニケーション能力を養うチャンスと捉えましょう。
ポジティブ変換が大事だね!
排泄介助がつきもの
人が生きていく上で必ずしなければならないことのひとつが「排泄」です。
全ての対象者が介助を必要としているわけではありませんが、特に必要としている対象者は次の通りです。
- 身体障害の方(脳性マヒなど)
- 重度の知的障害の方
- 重度心身障害の方
上記の方を対象としている事業所では、多くのケースで排泄介助が必要です。
逆に精神障害の方や、身体障害や知的障害があっても排泄は自立している方もいます。
しかし、そういった軽度の障害の方のみを対象としている事業所は少ないので、排泄介助はつきものと思っておきましょう。
以上がホームヘルパーとして働く際のデメリットです。
デメリットについて理解できたかな?
バッチリ!大丈夫!
続いては、メリットを紹介していきます。
障害者のホームヘルパーのメリット
いいことの方がたくさんあるよね。
もちろん!
だから僕は長年続けてるんだよ。
短時間から働ける
子育ての中の方にとっては、子どもが幼稚園や学校に行っている間だけ働きたい方も多いですよね。
ホームヘルパーの仕事は、短時間から働けるのが魅力です。
なぜなら居宅介護サービスの提供時間には上限があり、その時間を超えたサービスは基本的には認められていません。
- 身体介護・・・3時間以内
- 家事援助・・・1.5時間以内
- 通院等介助・・・対象者によるが概ね5時間以内
これらのサービスを組み合わせてシフトを組みます。
9:30~10:00身体介護
10:30~11:30家事援助
12:00~13:00身体介護
このようなスケジュールであれば、幼稚園のお迎えにも充分間に合いますね。
このように、短時間でもシフトを組めるのがメリットのひとつです。
もちろん、フルタイムで働くこともできるよ!
次に、短時間でもフルタイムでも働けるホームヘルパーの時給を見てみましょう。
時給が高い
待遇が問題沙汰される介護職ですが、実はパートの時給は比較的高い傾向にあるんだ。
まずはこちらをご覧ください。
介護労働安定センターのデータによると、ホームヘルパーの時給の平均は1,287円となっています。
注目したいのが、施設職員より200円以上高く、看護師やケアマネを含めた平均時給(1,203円)を上回っているということです。
何でなんだろう?
ポイントは、1対1のサービスってところだよ。
例えば施設職員であれば、緊急時には他のスタッフを頼ることができますが、ホームヘルパーはひとりしかいません。
状況判断や行動力を必要とし、ひとりにかかる責任の大きさも違います。
責任重大なんだね。
でも安心してね。
迷った時はサービス提供責任者や管理者の指示を仰げばOKだから。
ちなみに、他の職種と比べても介護系の時給は高い傾向にあります。→職業別平均時給(はたらこねっと)※外部リンク
なるべくなら高い時給で働きたいあなたに、ピッタリなのがホームヘルパーです。
短時間から働けて時給が高いホームヘルパー。
そこで働く人はどんな人なのか知りたい?
うんうん、一緒に働く人だし知っておきたいよね!
女性が多い
ホームヘルパーで働くスタッフの性別分布を見てみましょう。
上記は、厚生労働省が発表している介護労働安定センターの「介護労働実態調査」の結果です。
結果によると女性が圧倒的に多く、非正規職員では95.9%となっています。
ほとんど女性なんだね!
ホームヘルパーの仕事は自宅での生活を支援する仕事なので、家事経験が豊富な女性が働きやすいメリットがあります。
筆者が働く職場でも、女性スタッフの方が細やかな気遣いができる傾向にあります。
しかし、基本的には同性介助の事業所が多いので男性利用者には男性スタッフが派遣されます。
女性が活躍する場面が多いことは確かですが、一方で男性の人手が足りていない現状があります。
女性も男性も大歓迎なホームヘルプ市場だよ。
そんなホームヘルパーで実務経験を積むことで、資格を取得できるチャンスがあります。
上位資格を狙える
介護の仕事でのキャリアアップは、資格取得と紐づけられていることが多くあります。
資格の勉強は、実務にもダイレクトに役立つのでオススメ!
介護に関する資格の一覧は、以下の通りです。
キャリアに関する資格 | 実務に役立つ資格 | その他の資格 |
---|---|---|
介護職員初任者研修 | 喀痰吸引等研修 | ケアマネージャー |
介護福祉士実務者研修 | ガイドヘルパー | |
介護福祉士 | 同行援護従業者養成研修 | |
認定介護福祉士 | 行動援護従業者養成研修 | |
重度訪問介護従業者 |
上記の黄色いアンダーラインの資格を取得するには、それぞれ実務経験が必要です。
具体的には次の通りです。
- 介護福祉士・・・3年
- 認定介護福祉士・・・介護福祉士で5年
- ケアマネ―シャー・・・介護福祉士等で5年
一番経験が短い介護福祉士でも3年の実務経験が必要です。(福祉系の高校卒業、養成施設卒業を除く)
資格を取得すると何が変わるの?
任される仕事が増えて、それに伴って給料がUPするよ。
例えば、介護福祉士の資格を持っているとサービス提供責任者という管理職になれるメリットがあります。
しかし、単純に業務内容や給与面での優遇だけで語ることはできません。
昨今では介護の専門性が重要視されてきている背景もあり、資格を所持している者の社会的な見方が変わってきています。
今後さらに資格の重要性が高まることは必然と言っていいでしょう。
ホームヘルパーで実務経験を積んで、積極的に資格取得にチャレンジしよう!
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人間力が高まる
人間力って、何?
人間力とは・・・
文部科学省は、近年の教育改革の中で、自ら学び、自ら考える力などの「生きる力」という理念を提唱してきた。「人間力」とは、この理念をさらに発展させ、具体化したものとしてとらえることができる。すなわち、現実の社会に生き、社会をつくる人間をモデルとし、その資質・能力を「人間力」として考える。本委員会の採用した人間力の定義とは、「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」ということになる。
引用:内閣府「人間力戦略研究会報告書」
人間力って、国がちゃんと定義してるのね!
ビックリだよね(笑)
でもさ、それだけ重要視されているってことだよね。
とはいえ、抽象的な表現なことは否めないのでホームヘルパーを通じて高まる人間力について説明します。
説明といっても、完全に筆者の主観ですので「興味ないわ~」という方は目次から次の項目にスキップしてください。
ホームヘルパーの仕事は、私生活を支援する仕事です。
社会生活ではTPOに合わせて周りに同調したりコミュニケーションを取ったりしながら自己を実現しますが、私生活では自己実現の方法が違います。
私生活においては、自分の価値観で選択し、周りを気にすることなく好きなように生活します。
そんな究極のプライベート空間に足を踏み入れ、気分を害することなくサービスを行うのがヘルパーの仕事です。
プライベートな空間に足を踏み入れるためには、信頼が必要です。
多くの人から信頼を得る仕事はたくさんありますが、ひとりの人から深い信頼を得る仕事は数多くありません。
深い信頼を得るのは一朝一夕では難しく、長期間継続して信頼に足る価値を与え続ける必要があります。
「価値を与える」ことは、サービスの提供だけでなく、ヘルパーの人柄や人としての深みがあってこそ成しえます。
利用者の立場になって考えられる柔軟さ、人の愚かさを受け入れる懐の深さ、無理難題を解決する忍耐力など、小手先の技術ではない人間的な力を発揮しなければなりません。
こうした力は、利用者に「価値を与える」ことを意識し続け行動することでのみ培われます。
筆者はこれこそを人間力と定義しています。
内閣府の発表とニュアンス違くない?
でもこっちの方がピンとくる人も多いんじゃない?
確かに!
ホームヘルパーを真剣にやると人間力が高まる!
異論は認める!
ホームヘルパーのメリットは、以上です。
デメリットもメリットもあるホームヘルパーですが、最後に筆者が長く続けている理由をお話して終わりにしたいと思います。
筆者が20年続けている理由
もしかしたらこの項目の内容が、ホームヘルパーの一番のメリットかもしれません。
長く続けるには、それなりの理由があるんだ。
- 社会的意義がある
- 人の役に立つ喜びを感じられる
- 会社の理念に深く共感している
人は誰だって文化的な生活を送る権利があります。
しかし、ひと昔前は障害を持つ方は措置制度の名のもとに施設や病院に収容され、閉ざされた空間で生活してきました。
「明日は我が身」
今は世間で定義されているような「障害」を持っていないかもしれない。
しかし人間いつ何があるかわかりません。
もしかしたら明日は自分に措置制度が適用されているかもしれない。
以前は高齢者の介護をしていた筆者でしたが、その歴史を知り思い切って障害者支援の世界に飛び込みました。
当時は措置制度から支援費制度に切り替わるタイミングで、障害者支援も高齢者と同等のサービスが拡充され始めたときでした。
以来、支援費制度→障害者自立支援法→障害者総合支援法と形を変えて展開してきた障害福祉サービス。
障害者総合支援法では、それまでの「自立」という文言から「基本的人権を享有する個人としての尊厳」に変わり、さらに「人として、個人としてどう生きるのか」が大切にされています。
誰しもが人として尊くある権利がある
それを守る仕事に筆者は大きな社会的意義を感じています。
現在、筆者の勤務する会社の理念を短くまとめると、
「対等な立場の人間同士、共に地域で安心して暮らしていける社会を作っていこうぜ」
というものであり、筆者は大いに共感しています。
優劣なんてナンセンス、障害のありなし関係なく一緒に支え合って生きていこう
その中で感じる「人が人の役に立つ喜び」という遺伝子レベルの幸福感は何物にも代えがたいわけです。
筆者がホームヘルパーを続けている理由は、こんな感じです。
何か大義名分があるわけではなく使命感があるわけでもありません。
しかしこれで20年続けられる仕事がホームヘルパーです。
本記事を通してホームヘルパーの魅力が少しでも伝われば幸いです。
【まとめ】ホームヘルパーのメリットとデメリット
本記事では、ホームヘルパーのメリットとデメリットを解説しました。
内容を簡単にまとめるよ。
- 休日が不定期。でも事前に「土日は働けない」など伝えておけばOK。
- 介護職員初任者研修の資格が必要。
- 昇給しづらい。でも上級資格などキャリアアップで解消。
- 排泄介助がある。
本記事は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
では、また!
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